【インタビュー】旅の「可愛い」を発信するスペシャリスト・古性のちさん

翻訳機ili(イリー)は、海外旅行を行う人々をサポートし、旅行の楽しさを皆さんに知って頂くためのツールとして、これまでに約5万人のユーザーにお使い頂いております。

皆さんに海外旅行の楽しさをもっと知って頂くべく、『トラベラーズインタビュー』をお届けいたします!

今回は、トラベルグラファー・ライター・ブロガーとしてもマルチに活躍をする古性 のちさんにお話を伺いました。

はじめての海外は世界一周だった

―これまで何カ国・何都市に訪れましたか?

22カ国34都市です。

初めてひとりで行った海外旅行は、フィリピン・セブ島ですね。

フィリピン・セブにて(古性 のち氏提供)

セブ島には英語の短期留学を目的に滞在していたのですが、それからアジア各国を回ったのち、そのまま世界一周旅行に出てしまったので、わたしにとっての初めての海外は世界一周になりました。

―どうして世界一周の旅に出ようと考えたんですか?

私は元々学校が大の苦手で、高校時代はもはや、半分不登校でした。その頃担任の先生に、

「古性さんはちょっと普通ではない」

と、言われたことがずっと心に残っていて。

その時は凄くショックだったのですが、同時に「じゃあ普通のひとができないことをしよう」と開き直り、その頃偶然手に取ったのが「旅を仕事にしながら生きている」高橋歩さんの本だったんです。それがわたしが「日本の外側の世界」に興味をもった始まりでした。

色々な経験を経て、念願の海外へ

―そこからどのようにして、世界一周を実現したのですか?

高橋歩さんの影響で「自分もこんな風に、旅と一緒に生きたい!」と思ったのですが、現実のわたしは何もできない、不登校の高校生で。だからこそ、そこから10年間今の自分と理想との差をどう埋めたらいいかを模索し続けました。はさみ1本で世界中を旅するために美容師になったり、はさみの代わりにパソコンで仕事ができるひとになろう!とWebデザイナーに転職したり、ライターとして仕事をしたり…色々な経験を重ねていくうちに自分自身も鍛えられていき、念願だった海外に足を踏み出すことが出来ました。

ただ、元ひきこもりなので今でも、人前に出ていくのはあんまり得意ではないです。海外に行っても部屋に引きこもってアニメを見て過ごしてしまう時間もあります(笑)最近ではありがたいことに登壇する機会をいただくのですが、次の日はオフにして、ゆっくり家で本を読んだりしています。

ただそれでも、自分みたいに「なりたいわたし」との間でもがいている人たちへの何かヒントになればと思い、なるべく人前へ出るようにしています。

チェンマイのカフェにて(古性 のち氏提供)

ときめきが凝縮されている街・チェンマイ

―これまでに行った好きな場所や、記憶に残ってる海外旅行先について教えて下さい。

一番好きな場所で、今でも何度も足を運んでしまうタイのチェンマイです。

わたしの旅のテーマが「その国でみつけたときめきを発信する」なのですが、チェンマイにはとにかくかわいい雑貨屋さんや、お洒落なカフェ、ゲストハウスが所狭しと並んでいて。さらにそれらが一箇所にぜんぶぎゅっと凝縮されているところがとても魅力的なんです。

チェンマイのお店(古性 のち氏提供)

ただ、そうした建物を建てることは、自然を切り壊すことにも繋がってしまいます。チェンマイの良いところは、極力自然を残そう、という気持ちが建物全体から伝わってくること。すごくお洒落なカフェの隣に、無造作に生える木々たちが道路に飛び出しているんです。気持ちよく、自然と街が共存している。私にとっても心地良く過ごせる場所なんです。

衝撃を受けたインドでの体験

それから、一番記憶に残っている場所はインドです。

インド・リシケシュにて(古性 のち氏提供)

リシケシュで「ババ」と呼ばれる、あらゆる物質的・世俗的所有を放棄し、解脱を得るために修行している人たちと友達になりました。彼らは人々に尊敬されているので、信仰の深い人から服や食事を恵んでもらい、その日暮らしで生活をしています。

ある日、彼らに食事を持ってきた人がいました。するとババは、その日まだ何も食べていないはずなのに、その場に居た私や周りの仲間たちに食料を平等に分けはじめたのです。

インド・リシケシュのババ(古性 のち氏提供)

私は「自分で買うからいいよ。ババが食べて」と断りました。すると途端にもの凄い嫌な顔をしながら、

「のぞみは、お金があるかもしれないけど心が貧しい」

と言われたんです。この出来事に、深く衝撃を受けました。

わたしはこれまでの日本の暮らしで、1000円を払ったら1000円の対価が帰ってくる、ということが普通だと思って生きてきました。しかし、彼らはお互いがお互いのことを信頼しあって、損得抜きで貰ったものを平等に分けるのが当たり前という考え方で生きています。この体験がこれまでの旅の中で一番印象に残っていますね。

モロッコのタクシーで遭遇した災難

モロッコ・マラケシュにて(古性 のち氏提供)

―旅行先でのトラブルや、怖い思い出について教えて下さい。

これまで命の危機に直面したことはないのですが、とてもぼーっとして見られるためか、普通の旅人の三倍くらいは物を盗られている、と周りからは言われてしまいます…(笑)

以前、モロッコで乗り合いのタクシーに乗った時の話です。

その日は結構な夜で辺りも暗く、自分の宿がわからなくてたびたびマップを開いていました。道が複雑だったため、場所がピンポイントで出ずに途方にくれていた時に、乗り合わせた紳士的な初老が「僕の家からも近いし大丈夫だよ」と優しく声をかけてくれたのです。彼は運転手にも「この子がこのホテルで降りたいって言ってるよ」と、現地の言葉で話しかけてくれて。乗車中も「どこから来たの?」とか、「モロッコにはどれくらい居るの?」と気さくに声をかけてくれたんです。

そんな中、乗車してしばらく経った頃に「最後にもう一回だけ地図を見せてくれる?」というので、iPhoneを預けてマップを見せました。すると、「うんうん、ここなら大丈夫だよー」みたいな感じで声をかけてくれていたのですが、タクシーが信号で止まった瞬間、タクシーのドアを開けてスマホを持ったまま猛スピードで暗闇に逃げていったんです。

盗まれたことも衝撃でしたが、あんなに気をつけろと言われていたのにスマホを渡してしまった自分にもびっくりしましたし、おじいちゃんの逃げ足があまりにも速かったことにもびっくりしました。一番衝撃を受けた事件は、これくらいかもしれません。

モロッコ・サハラ砂漠にて(古性 のち氏提供)

旅先での言語のトラブル

―旅の最中に、言葉の問題で困ったことはありますか?

わたしはもともと、英語がほとんど話せない人なので、割と毎回困っているかもしれません…(笑)

その中でも特別困ったのは、世界一周の途中に空港でストライキが起こった時です。混乱しているからか、アナウンスの英語も早口で何も聞き取れず、何が起こっているかわかりませんでした。

ようやくストライキだと気づいた時も、初めての経験だったので何をしたらいいのかもわからないし、自分の航空券の扱いもわからない。更には英語も話せないのでとても困りました。

その時は、たまたま英語が話せる日本人と知り合ったので、航空会社とのやり取りを助けてもらったのですが、その人の助けがなければ、航空券を破棄して買い直していたかもしれません。

ポーランド・一等車のチケット(古性 のち氏提供)

チケット系のトラブルといえば、何故か電車で一等車に乗ってしまったこともありました。タキシードや綺麗な格好で乗車している人の中に、自分ひとりだけバックパッカーみたいな状況で浮いてしまいました(笑)

車内ではコース料理が振る舞われたり、降りる時にバラの花束を貰ったり…とても面白い体験でした。

―古性さんには実際のご旅行で『イリー』をお使い頂きましたが、利用してみていかがだったでしょうか。

空港でラウンジの場所を尋ねたり、飛行機に乗る時に使ってみたのですが、会話が通じるので便利ですね。

今回ネパールとかインド等、そもそも英語があまり通じないところにも訪れたので、どう機能するかドキドキしていたのですが、イリーが物珍しいからか、使うと面白がって「何それ、何それ」みたいな感じで、現地の人が寄ってくるんです。ちょっと変わった使い方ですが、コミュニケーションツールとして盛り上がりました。

旅先でのイリー(古性 のち氏提供)

翻訳としても優秀ですが、こんな風にイリー自体に外国人が興味を持ってくれることって、すごく良いなと思っていて。会話のきっかけを作ってくれるし、外国人と友達になるきっかけにもなりますよね。面白かったです。

のちさんのマストアイテム

―海外旅行に持っていくマストアイテムを教えて下さい。

やはりテーマが「ときめきを集める」なのと可愛いものが大好きなので、それ関連のものが鞄のほとんどをしめてしまいます。旅をする人は、なるべく必要のないアクセサリーなどの装備は軽くしようとしますが、わたしは現地にいるからこそ、その国を精一杯楽しめるおしゃれをしたいので、缶に詰め込めるだけ詰め込んだたくさんのピアスを持っていきます。

愛用のピアスとケース(古性 のち氏提供)

日本では派手に感じるピアスでも、旅行先だと自然に映えるし、お気に入りのピアスをつけていると、ちょっとした散歩でも楽しくなります。

あとは、『旅する石鹸』という石鹸が気に入っています。キャラメルサイズの、使い切りの固形石鹸です。

固形石鹸は、持ち歩きに不便なので長期の旅行にはあまり向かないのですが、これは使い切りサイズなのでとても便利です。また、ゲストハウスで外国人にプレゼントをすると喜ばれるし、会話が生まれるきっかけにもなります。

―普段の旅行では、どのような宿泊先を選ばれますか?

わたしは旅をしながら仕事をすることが多いので、用途によって宿泊先を使い分けています。

例えば、ゲストハウスはいろいろな人とコミュニケーションを取ることが出来て、とても楽しい空間なのですが、集中して仕事をしたい場合には不向きです。皆が盛り上がってる時に自分だけ参加できないと、悲しくなってしまいますよね(笑)

そういったときには、Airbnbや 普通のホテルに泊まることが多いです。反対に、旅の気分が薄れてきたと感じたら、ゲストハウスのドミトリーに泊まることもあります。

元々、自分のことは神経質な人間だと思っていて、はじめてゲストハウスに泊まった時も、ベッド一つでの生活に不安がいっぱいでした。実際に、3日間はろくに眠ることが出来なかったのですが、4日目に眠さのピークが来て熟睡してからは、どんなにうるさくても眠れるようになりました。

「自分らしく生きたい人」へのアドバイス

―旅を通じて、「学び」や「発見」はありましたか?

すべてがそうではありませんが、外国の方は、日常のちいさな幸せを見つけるのがとても上手な人がおおいなあと感じています。

旅行先のトイレで髪を直していると、全然知らない人が「あなたのネイルかわいいわね」とか、「ピアスめっちゃかわいいね。どこで買ったの?」と話しかけてくれたり、外国の友達と会ったときも「最近凄いキレイになったね」とか、「髪の色すごくいいね!」といったように、ポジティブな言葉で声をかけてくれることがあります。

こういうことって、日本人はシャイなのでなかなか言えないじゃないですか。それに比べて、海外の人は思ったことをすぐ伝えてくれる。

相手を褒めるのってなんだか恥ずかしいですけど、褒められた側も嬉しいし、褒めたほうも心が豊かになりますよね。

「今日なんにもない」とか、「いいことない」とか、「幸せになりたい」という言葉をよく聞きますが、それって幸せを見つけにくくなっているだけだったり、日常に感謝することに、少し距離を置いているだけなのかもしれません。旅を通じて、幸せが実はすぐ手にとどくところにあることを学びました。

―海外旅行を計画している人にメッセージをお願いします。

最近、特に若い人たちの間で「自由に自分らしく生きたい」といった言葉をよく聞きます。自分がそうだったからなのかもしれませんが、それを実現するためにセミナーや講演にお金や時間を使うよりも、一回思い切ってひとり旅を経験するほうが、得るものは多いのではないでしょうか。

旅の経験は人生をより豊かにしてくれると思いますし、旅は誰も教えてくれないことを沢山教えてくれます。まずは一歩勇気を出して、踏み出してみてほしいなあ、と感じています。

 

文・構成 Sakurai(team ili)

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